2021-01-27-Wed 権力と権威
_ [日常] 権力と権威について
日本人(海外のことはよくわからないので日本人に特定する)は権力には服従するけど、権威(ここでは正論をいう者を指す)には反発する傾向が有るように思う。
ここでいう権力は政府与党、会社社長など。権威とは学術会議や医師会、マスコミ、野党などを指す。(もちろん時と場合によって権威が権力になる場合もあり得るが、ここでは事例としてそう定義する。)
何故なのかとずっと考えていた。
権力に服従するのはわかる。良し悪しは別にして。権力はまさに力であり、抗っても何も得るものはないという、封建時代からの教えがDNAレベルで叩き込まれているのだろう。
では、なぜ権威には反発するのか?ずっと理解できなかった。ただ単に、権力もないのに偉そうでムカつくからか?
文献などを色々読んでいるうちに、ある記事を読み、ピンときた。
「敵は己の中にあり。」どういうことか。「本来自分が『押し殺そうと必死になっていたこと』を易々とやってのける者(=権威)」に対し、自分自身の憎悪の裏返しとして反発を感じる、と言うことだ。
つまり、権力に歯向かう者のことを、本当は自分がやりたかったのにできない心情の裏返しとして、憎悪を感じる、と言うことではないか。
損得により権力には従順になる。だがそれに対する反発は残ったまま。その反発を思い出させる権威に対して、封じていた自分の憎悪を思い出させることにより反発を感じる、と言うことではないか。心情的な反発ではないか。
まさに「敵は己の中にあり」なのだ。
そう考えると、自分の中では腑に落ちた。再三言っている、「正しいことを正しいと言うだけでは人の心に届かない」という自分の説とも符合する。
ならばその上で、社会がより良い方向に進むためにはどうしたらよいのか。
「あなたにこういう傾向は有りませんか」と問いかけてもダメなのは自明。今のところ、アイディアのひとつも見つけられない。