2021-01-02-Sat ルポ百田尚樹現象
_ [日常] 前から気になっていた本を
正月休みを利用して読みました。
「ルポ 百田尚樹現象」という本です。
図書館で借りて読みましたが、とても良かったので、買って再読しようと思います。
以下、感想というか、自分なりのポイントをランダムに。
百田に関わった人々は、百田は何よりも面白い。魅力的だと言う。
百田は何よりも「ウケる」ことが大切にする。ウケるためには自説を曲げることさえ厭わない。百田は、リベラルは良い子でつまらない、自分は反権威主義だと言う。朝日新聞は権威。左派は権威である。
『マジョリティである「ごく普通の人々」は多かれ少なかれ、中韓への違和感や疑義を持って、生活している。百田の言葉は「ごく普通の人の潜在的な感覚」の延長線にあるのだ。』
百田自身は非常にピュアな人物。ただただエンターテイメント(小説)で読者を喜ばせたいだけ。その結果については興味も関心もない。すり寄ってくる者らにも興味がない。
この本は、百田尚樹というベストセラー作家を通してみた、「ごく普通の人々」の姿を描いている。百田尚樹は空気の代弁者である。
「ファクト(正しい事実)」はそれだけでは人々に届かない。人々は「情」で動く。
百田は「愛国」をアイコンとする、現代のポピュリスト。
ポイントは「反権威」。
戦時下の挙国一致はそれを強いられたのではなく、それ以外の考え方、言い方を修練する機会を与えられなかったのだ。(柳田国男)
「日本人の結合力は孤立の淋しさから来ている」(柳田国男)
所謂「右派」が世間の支持を得ている理由が、この本には有る。
リベラルを自認する人、今のリベラルにも保守にも違和感を持っている人に、ぜひ読んで欲しい。
なぜ、今の野党が「ごく普通の人々」の支持を得られないのかの理由も、見えてくると思う。