2025-07-22-Tue 選挙制度の問題
_ [日常] 政治がダメになった要因の
かなりの部分は、小選挙区の導入だと思っています。
(小選挙区制とは小さく区切った選挙区から一人ずつ議員を選ぶ方式で、今の衆院選挙区がそれにあたります。対して中選挙区制とは比較的広い選挙区から複数人の議員を選ぶ方式です。今の参院選挙区は1人区と複数人区があるので小選挙区制と中選挙区制の中間です)
元々の中選挙区制度では自民党の内輪の争いになることが多々あり、その為に「金」が必要となっていました。つまり「力」=「金」でした。リクルート事件等もあり、その反省から金が掛からない選挙として小選挙区制度が導入されました。
選挙区から一人しか当選できないため、広く一般からの支持が必要になると考えられていました。金(利権)だけでは当選できず、派閥間ではなく政党同士(つまり政策同志)の争いになり、民意が反映されやすくなる筈でした。
しかし、結果はそうはなりませんでした。
自民党の候補者は、選挙区で公認してもらえるか否かが一番の問題となり、時の幹部に逆らうことができなくなりました。それまでは自民党内には様々な意見があり、それが「与党内野党」の役割も担っていたのですが、小選挙区制の導入によりそれは無くなり、自民党は硬直化しました。これは、当時小選挙区制度導入の旗を振っていた河野洋平氏も「失敗だった」と後悔しています。
「小選挙区では政党助成金を党が配るため、党の代表や幹事長に権限が集中しがちだ。機嫌を損ねると公認やポストがもらえないかもしれないと、意見が違っても反対しにくくなる。それが1強と言われる安倍晋三政権のような形に表れる」(「政治改革、制度に矮小化」2021年8月27日河北新報社説より)
党トップの顔色を窺うことに終始し、議員同士の切磋琢磨が無くなり、議員の質が劣化する。そうなってはいないでしょうか。
小選挙区制度には「死票」の問題もあります。当選獲得票が30%ならば、残りの70%の意志は反映されません。有権者が「どうせ選挙に行っても無駄だ」と思う理由の一つになってはいないでしょうか。
小選挙区制度が導入されたのが1996年です。所謂「失われた30年」と一致するのが偶然でしょうか。
今の政治に必要なのは何よりも選挙改革であると、自分は考えています。
国会内でもその議論はされています。自民党でもその検討はされているようです。今後の推移に注目しています。