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2026-02-04-Wed 高市政権の問題

_ [日常] 高市首相の支持率は

相変わらず高い。その理由をざっくりと言うと「物事をはっきり言う気持ち良さ」にあるのだと理解している。

それはリーダーにとって必要な資質だ。だが、高市政権が何をしようとしているのかを考えると、果たして国民生活の改善になるのかと疑問が湧いてくる。

 

(ちなみに……高市首相自身が「やればできるんです」と言ったガソリン税減税は氏の成果でも何でも無く、少数与党となった石破自民党が以前より野党が主張していたそれを受け入れざるを得なくなった結果である。偶々実施時期が高市政権になっただけで、むしろ高市政権は年内実施から年度内へと後ろ倒ししようとしていた)

 

まだ政権発足してから3ヶ月なので成果が出ていないのはある程度理解はするけれど、喫緊の経済対策には見るべきものは無いように思える。

 

基本路線はアベノミクスの継承である。だがアベノミクスの成果が国民生活の向上に大きく寄与したと考える人は少ないだろう。成長鈍化や格差拡大、社会保障の縮小が進んだと批判されることが多い。株価は上がった。だがそれは金が有るところに金が集まった結果であり、現に国民の実質可処分所得は横ばいのままだ。(直近はむしろ下降傾向) 株価上昇の恩恵は広範な国民生活に十分行き渡っていない、と言った分析が多い。

https://toyokeizai.net/articles/-/620385?display=b

   

高市首相はアベノミクスを失敗だとは捉えてはいないようで、成長戦略や積極財政の不足が課題だと述べている。よってより強力に財政出動をしようとしている。だが、1ドル80円の円高だった当時とは状況が違う。それにもかかわらず財政出動を強化すれば、この結果は更なる円安をもたらし、より物価高になる可能性が相当に高い。

実際にみずほ銀行からは、最近の高市首相の発言について批判的に分析するレポートが出ている。

https://www.mizuhobank.co.jp/forex/pdf/market_analysis/econ2600202.pdf

 

経済対策に対し、明確なのは武力の強化と闘える国造りだ。

私は、高市首相の一番の目的は、国家の再構築だと考えている。それは

『国家を守るために国民の自由を調整することを是とする政治であり、生活向上や多様性は二の次』

だ。一言で言うなら

『国家の為の国民』

へと日本を変えたいのだろう。過去の数々の発言がこれを物語っているし、所謂台湾有事発言も、経済的な負の影響より高市首相のイデオロギーを全面に出したものだ。だから幾ら経済的なデメリットが有ろうとも決して撤回しない。それは自己否定になるからだ。

 

すると、目指す先としてわかりやすい先輩国家がすぐ隣にある。中国だ。独裁政治で国家主導の新自由主義(ネオリベラル)の中国は、高市首相の目指す国家観と極めて類似性が高い。(中国共産党が既に共産主義ではないのは周知の事実)

 

だが残念ながら、幾ら日本が中国のような国家を目指したところで、中国を超えることは限りなく不可能だ。武力は勿論経済力でも再逆転することはできないだろう。

 

ならば日本はどうあるべきか?中国やロシアやアメリカになくて日本にあるもの、それは「信用」だと思う。幸いにして今の日本は、世界中から「戦争をしない国」と見做され信用されている。それは勿論憲法第9条のお陰だ。日本の世界における役割は、その信用を以って世界を繋げることだと思う。それは武力では成し得ないものだ。

 

だが、高市首相の目指す国家観は「信用」を破壊しようとしている。目指すところは富国強兵であり、現代的な「生活の豊かさ・個人の幸福・社会的包摂」ではなく、「国力・抑止力・国家主権」といった民主主義が確立する前の国家観である。

 

今回の選挙の争点を、高市首相ははっきりと明言しない。党首討論にも出ない。それは今の高い支持率にあやかって逃げ切ろう、信任されたことにしよう、そして改憲に突き進もうと思っているからだろう。

 

想像に過ぎないと言われればそれまでだけれど、今回自民党が勝てば、まずは言論を制限するスパイ防止法、そして人権を抑制する方向の改憲論が出てくるだろう。そして防衛(軍事)増税が行われる。改憲のその先には徴兵制も考えられる。手っ取り早くは経済的徴兵が行われるだろう(自衛隊に入れば奨学金をチャラにするよ、等。改憲せずとも可能。既に部分的に行われている)

道筋は明らかだが、多くの人は疑問を感じていないように思える。

 

ここまで読んで頂いた方には感謝するとともに、もしあなたが高市首相を支持しているのならば、いま一度、その意味を考えて頂きたいと思う。その結果がどうなるかを。

 

最後に、何故高市氏の支持率が高いのか、の私なりの考察を。

日本は元来「和」を重んじる国民性だ。「個」よりも「村」である。これは現在でも変わらず、学校ではまず「協調」を教えられる。それはより硬直性を増しているようで、若年層ほど「和を乱す」ことを恐れている。

野党や左派が嫌われる本質はこれで、つまり多種多様な意見ではなく和を乱すノイズと(無意識に)捉えられているのだと考えている。

高市政権の方向性はこの「ノイズ」を排除する。よって秩序の回復へ向かっているように見える。それが気持ち良さの正体であり、多くの国民はこれを歓迎するだろう。それが高い支持率の理由だ。若者層の高市世間の支持率が高い理由もこれだろう。

つまり、対立を回避する為に言論の自由を制限する。その方向に高市政権は向かう。それを国民は歓迎するだろう。何故ならそれは善意であり頼もしく見えるからだ。

 

日本はこれから、条件付き自由に向かうのだろう。それは極めて中国的であり、その下地は十分に出来上がっている。

更に必要なのは、

・強い正義の言葉

・反論しない方が良いという空気

・そして「面倒だから黙る」多数派

である。