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2019-07-23-Tue 人権のための努力

_ [日常] 日本人は「他人に迷惑を掛けないこと」を

善しとします。それは美徳ではあるんですが、得てして、異質なものを排除する同調圧力を産みがちです。

今回の参議院選挙で、一人のALS患者、一人の重度障がい者が議員になりました。

そのことに対し、

・国会に登壇できるのか

・議論のペースが遅いんじゃないか

・障がい者を引っ張り出すなんてかわいそう

などの声があることも、残念ながら事実です。

もちろん

・登壇できるように整備すべき

・障がい者(患者)のペースに周りが合わせるべき

・本人が決めることであり、他人がとやかく言うことではない

です。

これらの根本にあるのは、異質なものを排除する無意識の意識であり、無意識の偏見であり、無意識の差別です。

旧世代のオジサン達が「女性は弱い」「女性は能力が低い」と言うのと同レベルで「障がい者は気の毒」「障がい者は能力が低い」場合によっては「障がい者は何をするかわからない(怖い)」と言う。(障がい者に限りません)

これらは無意識故に、差別をした側がその意識が無いことが問題なのです。

 

日本国憲法にはこうあります。

「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」

また、こうもあります。

「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」

 

今の日本(人)はどんどん余裕がなくなっていき、ギスギスし、個より全体を重要視するようになっているように思えてなりません。  

世界的なダイバーシティ意識の広がりによって法的にはようやく整備が進み始めたと思いますが、個々人の意識は逆に内へ内へ収縮しているのではないでしょうか。人を生産性で測るような発言は、それを如実に表しているのではないでしょうか。

心理学的には、異質なものに対する興味よりも恐怖が先に立った時には、それを攻撃して自分が優位に立とうとするのだそうです。いじめはこれの典型です。

つまり、個としての余裕がなくなり、異質なものに恐怖を覚えるようになった結果(対象そのものの他、それによって起こり得る結果に対しても)、それらを排除して安心を得る心理が働いていると考えられます。

もちろん、相手を排除しても心の奥底にある恐怖は消えません。それを消し去るには、相手を理解することしかありません。人間が持って生まれた性質を克服するには、努力が必要です。

 

言うまでもなく、人は人であるだけで価値が有り、能力があろうがなかろうが関係ありません。「全ての人が輝ける社会」なんてフレーズがあります。輝きたい人を阻害することは当然あってはなりませんが、すべての人が輝くべく強制されてはいけないと思います。

人は生まれを選べません。自分が今の自分であるのは偶々です。

 

人権なんて言うと難しそうですが、実は簡単なのだと思っています。

人に寛容になろう、人を認めよう、人に優しくなろう。

まずはこれだけでいいんじゃないでしょうか。

日本国憲法にもあるように、そのためには不断の努力が必要ですが。