2023-08-08-Tue TOHOレーシング失格。
_ [レース] 8耐で
2位に入ったTOHOレーシングが失格になってしまった。燃料タンクの容量が大きかったためとのこと。
燃料タンクの車検容量測定はシビアで、通常給油でエア溜まりになる(ガスが入らない)部分も容量として測定される。そこを読み違えるとレギュレーション違反になってしまう。
自分がやっていた時は、タンクをひっくり返してタンク底に新設したドレンからエアを全部抜いた状態での容量を測定していた。
今年の変化点としては、ストーブリの一眼給油口がある。去年までの二眼とはエアの溜まり方が変わっているので、そのあたりに何かあったかもしれない。(エア溜まりが増えたのかもしれない)
タンク容量の測定は容量法と重量法がある。容量法はデカいメスシリンダーで測定したガスをタンクに入れて測定。重量法はガス無しとガス有りの重量差と比重で算出。容量法は測定時の揮発分や温度による体積変化(10℃上がると24Lで約0.3L増加)があるし、重量法は比重の測定誤差がある。
よって、重量法はガスの比重によっても容量は変わる。チームで測定した時が通常のハイオクで、車検がレースガスだとしたら、その比重差で測定容量が変わる可能性もある。
あと、レース前車検では容量測定はしない。車検チェック済のマーキングをするだけ。一つのタンク容量測定に優に10分は掛かるので、全てのタンク(スペアタンクもある)の容量チェックをするのは現実的ではない。エンジンの中身を全車チェックしないのと同じで、入賞車だけ後車検で確認する。
耐久レースのタンクはホントに奥深い。
ピットワークの給油も、100%の満タンにするのは結構大変。その為に内部の構造を弄ったり、タンクの形状を変更することもある。給油装置も工夫する。工夫とノウハウの塊なのだ。
失格は残念だけど、ライダーがいい走りをしていたのは確かなので、来年はリベンジして欲しい。